好きなことはずっと自分の中に-刺繍作家 ゆうききよみさん-

刺繍を最優先の暮らしへ

「アルバイトよりも作品作りの時間を優先して確保して、マネタイズは考えずに自分が作りたいものを作っていたら、作品を買ってくださる人がだんだんと現れました。嘘みたいだけど、本当にそうだったんです。2024年以降に作った作品は、大きな作品も含めご購入頂いています。2024年の秋からはアトリエふわりのひろみさんとのお仕事も始まりました。」

Photo:Yoko S モデル:Noinaさん

一生やらないと思ったことへの挑戦が未来への一歩に

アトリエふわりのデザイナー鈴木ひろみさん(以下ひろみさん)とのお仕事が始まるきっかけとなったのは、インスタライブでした。

「以前『インスタライブと相性がいいから活用してみたら?』と言ってもらった事がありました。ただ当時は人前で話すのが本当に苦手で、一生やらないだろうなと思っていたんです。

でも朝の実践会(前章参照)に参加してファシリテーターをやるようになってから、人前で喋ることに少しずつ慣れてきて『今ならできるかもしれない』と思い切って挑戦してみることにしました。」

「その初回配信で、ケイティちゃん(nazeka運営)が大切に着ていたけれど擦り切れてしまったアトリエふわりのお洋服に刺繍をしました。刺繍をしてなおしている様子を実際に見てもらいたくて、事前に連絡をしました。」

「そのことをケイティちゃんがひろみさんに伝えてくれて、ひろみさんも最初から最後まで見てくださったんです。そして後日『一緒に何かやろう』と連絡をいただきお仕事が始まりました。たった一回の配信で、こんな展開になるなんて本当に驚きました。」

好きなことはずっと自分の中に

「ひろみさんとのお仕事が始まってから、お洋服に刺繍をするのがすごく楽しくなりました。それまでは個展を目標に平面の作品を作っていましたが、洋服だとデザインを立体的に考えられるところが面白くて。それに同じデザインでも着る人で印象が変わるのも見ていて楽しいです。」

Photo: 福井はなさん モデル:鈴木まりえさん

「最初に何着か送っていただいて、刺繍して返送する──その繰り返しでお仕事が続いていきました。本当にありがたくて、ひろみさんには感謝の気持ちでいっぱいです。今年は忙しかったけれど楽しく作り続けられました。

実は中高生頃の夢は、ファッションデザイナーだったんです。やっぱり好きなことはずっと自分の中にあったんだなと感じました。時間はかかったけれど巡り巡って一番好きなことに戻ってきたような気がしています。」

写真:福井はなさん

今回も最後までご覧頂きありがとうございました。

「ケイティちゃんのおかげ!ありがとう。」と何度も言って下さいますが、きよみさんとひろみさんが自分の人生を選び歩んできたからこそ、この出会いが生まれたのだと思います。そして今も、お仕事が続いているのは二人の信頼関係があるからこそ。そんな場面に立ち会えていることが、私にとっては本当に幸せで、こちらこそ「ありがとう」の気持ちでいっぱいです。いつもありがとうございます。

残る3回は、3月の個展に向けて取り組む”今”のお気持ちや様子をお届けします。お楽しみに。

TOP写真:山神千里さん

きよみさん初めてのインスタライブ

【ゆうききよみ】
刺繍作家。新潟県十日町市在住。雪国の暮らしの中で、日々の景色や心が動いた瞬間を刺繍で表現している。
新潟や東京で個展を開催するほか、アトリエふわりとのコラボレーション作品を発表。
新潟では定期的に刺繍教室を開き、仲間と共に無心になれる時間を大切にしている。
高校時代の夢はファッションデザイナー。さまざまな刺繍作品の制作を経て、自然と“服づくり”へと戻ってきた。2025年より、新プロダクト「融けるまで着たい服」を始動。
2026年3月中旬から約1か月、札幌で個展の開催を予定している。

【アトリエふわり 鈴木ひろみさんの記事】