好奇心がおもむくままに進み学び続ける〜kids アート教室はるの木 くどう えりさん〜


今回お話しを聞いたのは

kids アート教室はるの木を主宰している くどう えりさん



えりさんがまとっている空気は とてもおだやかで ゆったりとした時間が流れています

アート教室と聞くと 描き方や作り方を学ぶイメージがありますが
はるの木では なにを作るのか どの素材を選ぶのかは 子どもたちの自由 
出来上がった作品への評価はなく 作る過程を大切にされています

子どもたちが 感性のままに自由な創作をできる場所作りとしてはじめた はるの木

開始後 憧れと共感をもったイタリアの レッジョエミリアアプローチを学ぶために 毎月東京に半年ほど通い その年には 現地イタリアでの研修にも参加
その概念を大切にしながら活動されています

現在は 企業が不要になった材料などを集めたマテリアルセンター(素材倉庫)も開始
アートを通じて社会貢献へ

短期大学で幼稚園教諭と保育士の資格を取得
しかし えりさんが最初に勤務したのは車のディーラーでした

「なんとなくね 
学校に行っていたときも 子どもに関わるのって 自分がお母さんになって歳を重ねてからの方がいいなと思ってたんだよね  
保育士じゃなくても 幼稚園の先生でも

若いときは違うことも仕事としてやってみたい!という気持ちもあったから」

子どもに関わる仕事に就いたのは 結婚・出産を経験してから

「息子が1才のとき託児所に勤めて
そこで気持ちが変わって やっぱり保育士っていい仕事だなって 
次は保育士ちゃんとやりたい 子どもと関わる仕事をしようと思って」

託児所・養護学校・幼稚園と子どもに関わる仕事を続け はるの木に辿りつきます

「自分がやりたいことを見つけて やりはじめたのが40歳過ぎだと思うんだよね 自分で何かやろうとも思ってなかったし 探してたのかな?どうなんだろうね」

「英才教育の幼稚園に6年くらい勤務して 絵を描くときは 園の決まりで形や色を指定して絵を描いてもらうから 顔を描いてもみんな同じ顔で」

「でも 待っている時間とかに描ける自由画帳は 個性がでるし自由にえがける こっちの方がおもしろい絵だなと思って」

「園に勤めていたときは 別に嫌だというわけではなかったけど 本当にやりたいなと思うことはそういうことじゃなくって」

幼稚園と真逆の考え方だったこともあり
名前を隠してブログを書き始め

“知られたくないけど知ってほしい” その想いから 場所作りをスタート

「人が来なくてもいいけど 材料を集めて 置いて 親子で自由に創作できる場所をはじめますってブログに書いてね
会場にチラシだけおいてもらって 予約もいらなくて」

「そうしたら 10組来てくれた」 

「その中に続けたいという人がいてくれて 月1回はじめたのがきっかけ 幼稚園しながらお休みの日に」

「それが5月くらいで 3月には幼稚園を辞めようかと思っていたかもね でもその間に体を壊して入院して」

「そこで幼稚園を辞めることを決めて」

「バランスがきっと悪かったんだよね 設定保育と自分がやっている自由なこと  バランスがどう考えてもおかしい 真逆のことをしているから」

幼稚園を辞め はるの木をスタート

イベント開催やレッジョエミリアアプローチの研修に参加するなど 自分の好奇心がおもむく方へ  学び進み続けている

「芸術の森のアトリエを見つけたときが イベントをやる転機だった」

「なぜか見に行って アトリエの鍵を借りて 娘と一緒にみて “なんかここでイベントしたい“と思って なんで見に行ってみつけたのかは忘れちゃった」

「広いスペースで 緑も綺麗で ここでイベントやろうと思った 
そして7月に初めてイベントをやって」

このときもチラシは作ったが 予約不要で人がくるかもわからない状態で当日を迎える

「そうしたら何十組ときてくれて 」

「絵画アトリエの狭い方を借りていたけど 当日の朝に蛇が入って急遽使えなくなって 広い方が空いてるから そちらへと言われた」

「こんな広いとさみしくなっちゃうかなと思ったけど 
狭い方だと入りきれない人数が来てくれた」

えりさん 行動力ありますよね? 
なんだろう 行動力だけじゃない 導かれているというか

「自分じゃないような感覚なときもあるよね 

イタリア行ったりとか 
そういうときはあるよね」

レッジョエミリアの本に掲載されている写真を見て はるの木だ!と思ったことが学ぶきっかけに

「なんかやろうかなと決めるとき 
徐々にのときもあるし 勢いのときもあるし」

「見つかっちゃうよね 次って 
探してるわけじゃないけど 
探して見つけようとしているわけではないかもしれないけど
次やりたいことが見つかっていく」

「マテリアルセンターも 
レッジョエミリアのレミダをみて すごいいいなと見ていたけど 
自分が行動していくとは その時考えていなかった」

現在アトリエの一室を
企業が不要になった材料を集めて
子どもたちが使う素材倉庫 マテリアルセンターも開始

企業に自ら足を運び積み重ねてきた活動は 北海道内の新聞などにも掲載され 素材を提供する企業も増えてきている

企業から提供されたタイルなど

えりさんの原動力って何でしょう?

「子どもたちのためっていう気持ちでもない やってあげるという気持ちでもない ”ために”ではないね

なんだろうね なにしてるのだろうね」 

「なにかのためにこれがいいではなく レッジョエミリアも”自分の”好きや憧れで」

「だから子どもたちがアトリエに来て何もやらなくてもいい 来て横になってたら じゃあしばらく休もうかとも言えるしね」 

「また来たいと思ってくれたらそれでいい」 

「好きな子は声が聞こえないくらい没頭している子もいるし 見ていておもしろい」

「作品とかもね 形になっていくのを見るのも おもしろい」

「なんでここにつくのかな?とか 
全然大人にはない発想があるので」

「子供たちをみて色んな気づきは
いつももらっている感じ 勝手にね」

「次の行動は こどもたちが創作している姿を見ていて 思いつくかな 子供たちをみて決めている」

「マテリアルセンターも
子どもたちが素材をおもしろがってくれているから」

「素材も出逢い だから私も素材を増やしたい 
子どもたちが 素材と出逢うきっかけを」

今後について

「これからも どうなっていくんだろうね 
この先こうなるといいなとかね 基本こう計画を立てて やるという感じではなくて」

「でもきっと 3日後に急に思い立ったことを やっているかもしれない 3日後にどっかいっているもありえる」

インタビュー終了後

「そういえば イタリアに1カ月くらい滞在したいって 最近娘に話たなぁって思い出しました」

「イタリア滞在したいのは やっぱりレッジョエミリアが大きい もっと心身ともに体感したいというか」

自分の好奇心を大切に 学び進み続けるえりさんです

今回写真を撮ってくださった 福井写真の福井はなさんも 

えりさんをよく知る人物
最後に3人でのお話をお届けします

keiko(以下k)『誰も来なくてもいいやと思ってイベントを開催すること すごいですよね?』

えりさん(以下え)「本当あんなに人がきてくれると思っていなかったから 来てくれる人がいてやってきてる  人が来てくれるかわからないけど やりながら」

はなさん(以下は)「えりさんが 失敗してもいいという人だから 子どもたちも失敗を受け入れてもらえると 感じるのだと思う
えりさんは まぁいっか 失敗がおもしろいくらいの気持ちだから』

え「失敗ってこども達にも いい経験と思っていて 人を傷つけなければ 
自分で作って自分で失敗して そこから どうしようという気持ちができたりとか」 

k『それって昔からあった感覚ですか?』

え「失敗にすごく慣れてきた 忘れ物したりなにか忘れちゃうとかね

対処の仕方とかも上手くなって
あとは間違いましたって素直に謝ること」

は『あとは嫌なことはしない イベントの司会も他の人にお願いする だから子どもにも無理を強要しない』

k『活動を見学に行ったとき これやってみる?とえりさんが聞いて 子どもたちが やらないって言える 関係性・空気感っていいなって思いました 言われたらやらないといけないと思ってしまいそうだけど』

は『あの空気を無意識に 天才的に作っている  寛容的というか そうなりたいけどちょっと無理』

k『えりさんの無自覚な 空気感 』

は『この場所がそろっていても えりさんがいないと』

それに対してえりさんは

え「誰でもできると思うけどね」
笑いながらそう返していました

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