「ありのままで良い」曼荼羅アートを通して伝えたい想いと心境の変化-曼荼羅アーティスト美有紀さん-

美有紀さんが曼荼羅アートと出会ったのは2019年。

「何かやりたいけれど自分に自信が無くて、挑戦できずにいました。でも変わりたくて仕方なかった頃です。」と同時を振り返る。

曼荼羅アートと出逢い、どんな心境の変化があったのか。そして曼荼羅アートを通して届けたい想いを聞いた。

写真撮影/フォトグラファー齋藤みえこ

—何かやりたくても自信が持てず挑戦できなかった頃に、なぜ曼荼羅アートには挑戦できたのでしょう。

「実は曼荼羅アートもレッスンがあるのを知ってから、申し込みをするまで半年近くかかりました。レッスンに行ったら、本格的にやるだろうな、起業もするのだろうなと直感的にわかり、恐怖心があったからです。だからやりたいけれど描きたいけれど、半年くらいためらったのだと思います。」

美有紀さんにとって新しいことへの挑戦は楽しいだけではなく、怖さを感じるものだった。

「曼荼羅アートを始めて自分が変わってしまうことへの怖さが1番ありました。それでも挑戦したいと思えるくらい、曼荼羅アーティスト茶谷洋子先生が描く曼荼羅アートはエネルギーに溢れ、直感的に惹かれる美しいものでした。」

曼荼羅と出会った当時の美有紀さん。今の雰囲気とは違うものを纏っているように感じる。(認定講師講座を卒業した頃)

—これまでに辞めたいと思ったことはあリませんか。

「無いですね。今も描き続けたいと思っています。あんなに悩んで、中々挑戦できなかった事が不思議です。感じ方は人によって違うかもしれませんが、曼荼羅には人生や生き方が出ると思います。私の場合は描いている時に選択の多さや進むことへの怖さを感じる場面があるのですが、人生と重なる部分です。そういう風に迷いながら生きてきたから描いていても出るのだと思います。」

「飛翔」 美有紀さんの曼荼羅から感じるのは、物事や感情を受け取る心の繊細さだ。

「特に描き始めた頃は、自信のなさや人の目を気にして強くいけなかった部分もありました。でも曼荼羅を見て喜んでもらえた事や人生の経験も少しずつ重ね、変わってきたと思います。今も最後の最後、世に出す時は迷いますね。」

—インタビュー記事を書き上げる時と似ている気がします。

「皆同じなのかもしれないですね。生み出すものとして、自分の中でのしっくりさというか。その迷う時間も含めて大丈夫だよと認められるようになり、自分でこれでいくと決断できるようになってきたと思います。」

美有紀さんは曼荼羅アート講座の受講と並行して、1日1枚の曼荼羅を100日間描き続ける100曼荼羅に挑戦する。その日起きた出来事や目にしたものなどから連想して曼荼羅を描きInstagramへ投稿を始めた。

「表現力の練習をしたくて100曼荼羅を描きました。自分に足りていないと感じて、描くしかないと思ったからです。」

「それまでは自分をアウトプットする事や自己表現が苦手で、SNS を本格的にはやっていませんでした。でも100曼荼羅を続けていると毎日見て下さる方がいて、とてもありがたかったです。それが私にとってエールになりました。だから私はInstagramの皆さんのおかげが強いと思います。1人では絶対ここまでこられなかったから。100曼荼羅を実際に描いたのは自分だけれど、人との繋がりの力はとても大きいと感じています。そのおかげでここまでやってこられました。」

—Instagramの投稿や作品などからも、人との繋がりを大切にされている印象を受けますが、曼荼羅を描いていて感じるのですか。

「曼荼羅は点が繋がって線になり、点が集まって集合体になり形として現れます。その光景を見ているからかもしれません。元々は1個ずつだったものが繋がっていく。人との繋がりと同じ感覚がしますね。」

そう話す美有紀さんが曼荼羅を描く時間と同じくらい大切にしているのは、人と会う時間だ。

仲間との時間を楽しむ美有紀さん(後方左から2番目)

「私は人と出会って成長している事が多いので、人との繋がりが人生に大きな影響を与えていると感じます。曼荼羅を描く時も日常で感じているものが表現として現れるので、外に出ず人とも会わない状態が続いてしまうと感覚が全然違います。だからその時間は必要だと思っていて。そういう時間をとりながら曼荼羅を描く時間もとりながら、私にとって大切なことです。」

—先ほど以前は自分をアウトプットする事や自己表現が苦手だったとお話がありました。その頃の事を教えて頂けますか。

「自分を出すなんて全くありませんでした。服は無難でいたいから黒、グレー、白ばかりで、仕事は決められた事の多い堅いお仕事もしました。常に周りの人からどう思われるのかが怖くて、好きなものも言えず、周りに合わせてどっちでも良いよと答えるのがお決まりのパターンでした。誰かといてもどこか俯瞰して、少し離れたところから見ているような感覚がありましたね。とにかく嫌われたくない気持ちが強くありました。」

—好きなものが言えないというのは、例えば好きな映画や本とかもですか。

「そうです。全部です。それすら言えませんでした。何て思われるのだろうとか、目立つと悪く言われたり嫌われたりしそうで、だったら周りに合わせて無難で良いと思っていました。」

美有紀さんが自分と向き合い、自分を出せるようになっていく過程で背中を押してくれたものがあった。

「私の数秘で作られたイヤリングが御守りになってくれました。」

数秘イヤリングをつけている美有紀さん 
写真撮影/フォトグラファー齋藤みえこ

数秘(術)とは生年月日や名前などから固有の計算式に基づいて算出する数字で、その方がもっている特性やキーワード、カラーなどがわかる。

数秘イヤリングは、美有紀さんの友人エスプレンドールフミコさんがその人が本来持っているはずの力をより発揮できるよう、後押しするデザインを考えオーダーして作られている。この数秘との出会いをきっかけに、フミコさんの数秘術講座を受講、曼荼羅にも取り入れるようになった。

「最初は派手に感じたデザインが、本当は自分の中に存在する本質だと伝えてくれたことで、一歩踏み出す勇気が持てました。大切な場面や弱気になりそうな時につけて、自分の背中を押してもらっています。そうしているうちに、今まで出せなかった自分を出せるようになっていました。だから私が描く数秘曼荼羅-祈り-も、誰かにとって一歩を踏み出す時の御守りのような存在になれたらと思っています。」

数秘曼荼羅-祈り-は、オーダー頂いた方の数秘から美有紀さんが感じる”本質”を曼荼羅アートで描く世界に一つだけの作品だ。同じ数字を持っていたとしても決して同じ作品にはならない。

「その方が自分の本質を認められて、自分は唯一無二の存在だからそのままでいいと思って生きてもらいたいという想いがあります。それは強くありますね。」

美有紀さんが祈りを込めて描いた世界に一つだけの数秘曼荼羅アート

—本質というのは、自分らしくということですか。

「自分らしさと言うと、少し違う気がします。自分らしさとは何だろうと迷う時もありますよね。本質はその方が持って生まれたものというイメージです。」

—本質を伝えたいと思うのはなぜでしょうか。

「私自身が本質を知ってから自分を出せるようになって、生きるのが楽になったからです。私の本質を簡単にお話すると、表現者でワクワク楽しむことが大切な人です。でも以前は先ほどお話したように、全く違う人生を歩んでいました。」

「曼荼羅アートや人との出会い、数秘などを通じて、自分と向き合い自分の本質を知り、自分を認められるようになりました。そして私は私で良いと少しずつ思えるようになってきています。」

—人はどうして変わりたいとか、本来の自分になりたいと思うのでしょうね。

「私の場合は、どこかで自分に期待をしていたのだと思います。今までとは違うもっとできそうな自分がいるのをわかっていて、期待している部分があるからこそ変わりたいと願うのだと思います。人との比較というより、私の場合は自分自身に期待していた部分がありました。今までとは違う、本当はもっとできるって。」

—自分を認められるようになり自分を出せるようになってから、どんな変化がありましたか。

「以前の私は、周りの人達の目を気にして、自分に全く目を向けられていない状態でした。今はまず自分に目を向けて、自分を愛する。それが周りの人を大切にする事へ繋がっていくと思えるようになりました。だから私の数秘曼荼羅や通常の曼荼羅アートも、ありのままで良いんだよと伝えたり自分が自分を認められるようになる過程で感じたことを表現したりしている作品が多いのかもしれません。」

「でもオーダー頂いた方にこうなって欲しいが強いと、押し付けがましくなってしまうので”祈り”という表現が1番しっくりきています。見守るでも願いでもなく”祈る”ですね。未来へ向けた希望の部分に祈りを込めて描いています。今を肯定しながら未来まで見ている感覚です。祈りの部分があってこそ数秘曼荼羅-祈り-はできあがっています。」

写真撮影/フォトグラファー齋藤みえこ

最後に

「最近は、何かありきの私ではなく”伊藤美有紀”そのままを認められたら良いなと思うようになりました。私が自分を認められるようになったのは曼荼羅アートを始めてからですが、何かのツールや肩書き無しでも、自分自身の存在自体を認められるようになったら最高だよねと思います。曼荼羅アーティスト美有紀だから自分を認められるではなく、それが無くても自分を認められる。それが”本質で生きられている”という事なのかもしれません。」

作品名「華」

何色にも染まる白とシルバーで真ん中に描かれている曼荼羅は自分自身を表現しており、「どの花にもなれるし、なりたい自分になれる」という想いが込められている。

その周りには花をイメージした様々な色や形の曼荼羅が描かれ、自分の側にいてくれる人達がそれぞれが持つ美しさを放ちながら生きる姿を表現した。同時に、自分が持つ感情や多様な要素も表現している。

「色々な花やデザインがあるように、色々な人がいて良くて、なんでも良しという感覚で描きました。どの花にもなれて、なりたい自分になれる。元々持っているものが美しいのだとメッセージを込めています。」

「今の私は、人は美しいという想いが根底にあった上で、どんな色にも染まることができて、なろうと思えばどんな自分にもなれると信じています。何かをやりたいけれど、変わりたいけれど自信がなくてできなかった、自分を認められなかった、過去の自分に訴えている部分は大きいです。そしてその頃を経て変わってきたからこそ描けた作品だと思います。」

写真撮影/フォトグラファー齋藤みえこ

【曼荼羅アーティスト美有紀】 

山形県生まれ、山形市在住。曼荼羅アーティスト茶谷洋子先生の元で曼荼羅アート入門レッスンを受講後、曼荼羅アート入門レッスン認定講師養成講座を約半年間受講し、認定講師となる。
現在は自身で曼荼羅アートを描く他、認定講師としても活動している。

Instagram:https://instagram.com/miyukiito555?igshid=MjEwN2IyYWYwYw==

曼荼羅アートのレッスンについて:https://questlifemandala.com/nyumonlesson/

記事中の写真は全て美有紀さんからご提供頂きました。

【インタビューサイトnazeka】
Instagram:https://instagram.com/nazeka.site?igshid=YmMyMTA2M2Y=

インタビュアー・ライター:Keiko Saito