〜秘訣は「諦めない」今までの経験がつながった服作り〜 アトリエふわり デザイナー 鈴木ひろみさん 後編

前編の記事はこちらからご覧ください

わたし ふわりをやるまで お洋服とは全く違うお仕事をしていました

だから諦めなかったら やろうと思ったら できることはあるんじゃないかなと思っています

元々お洋服はすごく好きだったのと 布が好きというのはすごくあったのかもしれない 

布が好きなことを実感したのは 服作りを始めて3年が経った頃かな

まだ本格的に作る前の準備期間中に 色々な服をたくさん作っていたのだけれど 自分が着たい服に全然ならなくて

ある日 日本に帰って オーガニックリネンの布や素敵な布を買って作ったら 自分が着たい服になっていったから

自分が着たい服というのは 着やすさや着心地がいい物とは感じていたけれど そこで初めて 布が良ければ服は変わるんだと思いました

そして お洋服のことを勉強していくと コットンの原料である綿を収穫する時に 空から飛行機で枯葉剤を撒いていくことを知るの

その枯葉剤は あのベトナム戦争で使われたものと同じということも

その頃 日本でオーガニックコットンを広めている近藤さん(近藤健一さん)が書いた 世界中を幸せにする糸を使った生地を作るという記事を見つけました
(オーガニックコットンは化学肥料や枯葉剤・除草剤などを使わずに栽培されているコットン)

近藤さんは 世界中のハイブランドの人たちから 糸の魔術師と言われているようなすごい人なんです

どうにかして近藤さんと連絡を取りたくて 連絡先を探していたら たまたまメールアドレスが見つかって 
いきなりメールをするわけなんです わたし

”お洋服を作り始めたばかりの 小さなブランドをやっています 
近藤さんが世界中を幸せにする糸を使った生地を作るという記事を読んだのですが
その生地を買える場所を教えて頂けませんか”

そうメールをして でも返事が来るなんて夢にも思わなかったのに

その日の夜に近藤さんから
”今僕は出張でヨーロッパにいるけれど 世界中の人を幸せにする糸は僕が用意しましょう”と返信がきて

僕に会いにきてくださいって言われて 

その後は秘書の方とやり取りをして 近藤さんに会いにいく

それからふわりでは ”オーガニックコットン”と”リネン”を使った服を作ろうと決めました

そうやって自分が納得できる布をタイへ持って帰り 本格的にお洋服作りをはじめました 

初めての展示会は 今もずっと販売して頂いている 
東京の恵比寿にあるEkocaさんで開催しました 

その年は日本で1回 タイで1回
タイはお友達が見に来てくれたけれど

売れた服は3着

だから本当にお客さんもいないし どうなるかわからないような中で始めた

無い無いづくし

そんな始まりでした

このお写真は初めて販売する服ができあがり撮影を行ったときのもの 撮影場所はひろみさん宅のリビングでした

2年目も春と秋に展示会をやって そこに来てくださった方と 少しずつ繋がって
Ekocaさん以外にも 四角大輔さんとの出会いや ETHICAL FASHION JAPANさんの展示会などをきっかけに 他のお取引先も見つかって

その時から今でも続くご縁が生まれて 少しずつ広がっています

現在も呼んでもらえれば スーツケースをガラガラ どこにでも行くというのは変わらずに

今では ふわりの想いを大切にしてくださるお店さんが東京・静岡・千葉・埼玉にあるので そこにはお洋服だけをお送りして常設でお願いしています

私は 早かったら早期退職するくらいの 年齢からはじめたけれど 今になってみたら 自分がやってきたことは 全部無駄じゃなかったなって

最初 旅でタイに来た時は ここで仕事をするとは全く思っていなくて

あれから20年以上の月日が流れて 日本に帰って普通に仕事もして 本当に色々なことをしてから

服を作り始めました

ある作家さんの 「全ての旅は今へとつながっている」という言葉の通り

色んな旅をして 飽きっぽいから長続きしなくて色々やったけれど その経験したことが 最終的に服作りへつながっていると感じています

最初からこれ!と思ってやってきた人はすごいと思う
始める時のえいや!の一歩も大事だけれど 続けるということは 大変だなと思うから

でも 一歩歩きはじめると 歩いていっても 走っていっても 景色は必ず変わっていくから

私の場合秘訣は「諦めない」ですかね

10年間やっていると色んなことが起こってくる 
責任を感じることも増え 保守的になりそうな時もあるけれど 挑戦し続けていたい気持ちがあるので

ふわりのエッセンスを凝縮させたような新しいブランドを1個準備しています

ブランド名は
Mitakuye Oyasin(ミタクエオヤシン)
ネイティブアメリカンの言葉で 「私たちはみんな繋がっている」という意味がある言葉

小さい範囲だからこそ 今まで以上にエシカルやサスティナブルな物をと考えていて

このブランドは おばあちゃんになって背中が丸まったとしても 死ぬまでやれたらいいなと思っています

自分がね 段々歳を重ねると たくさんのことをできなくなってくる
本当は 引退とかした方がいいんじゃないのかなって思っていました

でも鎌倉にね 素敵なお店を営んでいる方がいらして
とてもかっこいい歳の重ね方をされている女性の方で

それをみたら 私も もう少し頑張れるんじゃないかなと思えて

やっぱり歳を重ねると諦めていくこともあるし できなくなっていくこともあるけれど
私にできることを続けていくのも この高齢者社会を生きていくために 大切なことではないかなと思っています

自分のメッセージは自分で伝え続けられるように

今回のインタビューはオンラインでバンコク(ひろみさん)・埼玉(モリへー)・北海道(ケイティ)を繋ぎおこないました
お写真はアトリエふわりさんよりご提供頂いております

アトリエふわりさんのHP
https://atelier-fuwari.com

Instagram
https://www.instagram.com/atelier_fuwari/

ひろみさんのInstagram
https://www.instagram.com/romifuwari/

アトリエふわりのお洋服を常設しているお店

Ekocaさん 東京都
https://ekoca.com

Un Jour & Un Jour marchéさん 静岡県
https://kocuu.com

Coteranneさん 千葉県
https://www.instagram.com/coteranne/

星ノ宮 地蔵庵さん 埼玉県
https://www.instagram.com/jizouan/