こどもとおとなとあそびをつなぐ、
あそびコネクターとして活動している、やまざきしょうこさん。
しょうこさんは子育てを
「根っこ育て、未来のものを育てている」と教えてくださいました。
「未来のものを育てているから、育てている時はわからないことが多いけれど、
流行り廃りのない本当に大切な、本質的なことを育てている」
この言葉を聞いたとき子育ての考えは、大人にも通じる部分があるように感じました。
大人になってからも、今の自分は未来の自分を育てているそんな感覚がするからです。
その視点を持って、子育ての話を読んでみるのもおもしろいかもしれません。
今回も福井写真のはなさんが撮影してくださった素敵なお写真と一緒に
お楽しみください。
【Profile】
![](https://www.nazeka.site/wp-content/uploads/2022/06/FE452A60-8CB9-4E14-8A3D-BFFD2575A716_1_102_o-683x1024.jpeg)
やまざきしょうこさん
2児のお母さんであり
こどもとおとなとあそびをつなぐ、あそびコネクター
お母さんが安心して楽しめていれば、
こどもたちの楽しいにも繋がるという思いから
ご自分の子育てや幼稚園と保育園に勤務した経験を活かして、
お母さん支援をメインとした”iki”の活動を行なっています。
自宅を解放してお母さん達と一緒にこども達の遊びを見守り、
子育ての悩みや不安を話せる場所と時間を提供する”あそびサポート”、
季節や人との繋がりを大切にした共同保育”ぽっけ”、
その他にもオンラインお話会やイベント開催など、
様々な活動に取り組んでいます。
—色々とチャレンジされていますが、怖いとか失敗したらどうしようと思うことはありませんか?
失敗したとは、あんまり思わないかもしれません。
失敗したと思ったらやめればいいし、どうすればいいか考えればいいだけだから。
つめ込み過ぎて忙しいと思ったら、もうちょっとゆとりを持たせようとか、
次はこうしてみようという感じです。
やらなかったらわからないと思って、なんでもやっちゃいます。
![](https://www.nazeka.site/wp-content/uploads/2022/06/076DFC03-84AF-4882-A573-78445A92A026_1_102_o-683x1024.jpeg)
—昔から失敗を恐れないタイプですか?
ううん、わたし失敗しちゃダメだと思って生きてきた人でした。
ルールには逆らわないし、決まっているものは守りたいと思う人だったから、
こうしなきゃいけないという気持ちが常にありました。
でも幼稚園に勤めていた頃に子どもたちの姿を見ていたら、
もっと自由に考えていいし、表現していいんだなと思えるようになってきて。
同時にこども達の表現を、丸っと受け止めてくれる大人達の大事さも感じましたね。
大人からしたら違うでしょと言ってしまいそうなことも、見守って一緒に楽しむ。
![](https://www.nazeka.site/wp-content/uploads/2022/06/7E3AD20B-23AD-4A11-B226-BEA6F2455900_1_102_o-1024x683.jpeg)
自分のこども達が生まれてからは特に、
間違いや失敗を許せる1番の味方でいたいと思うようになりました。
その為にも「まずは自分が変わらなきゃ」と感じて。
自分が間違ったり失敗したりしても周りの人たちから許してもらえている姿を見せるには、
まずは自分が色々挑戦してみようと思いました。
大人が背中で見せれば、こどもたちも間違っても失敗してもいいと
自然と思えるようになると思うので。
苦手なことについても同じで、
苦手なことがあるから自分をダメだと思わないで、
それも含めて自分の個性として素敵だよねと思える大人でいたいですし、
そういう人達が増えていって欲しいと思っています。
そうすればこどもたちも
「私はこんな素敵なところがあるよ。でもこれはちょっと苦手なの誰か助けて」と言える。
弱みをひとりで抱え込まなくいい世の中を作ることに、繋がっていくのかなと考えています。
—Instagramを拝見していると、とっても素敵なおもちゃが多くて。
どうやって選んでいますか?
![](https://www.nazeka.site/wp-content/uploads/2022/06/IMG_5981-657x1024.jpg)
何に使ってもいい、余白があるおもちゃが多いですね。
例えば積み木も積み上げないといけないということではなくて。
赤の丸い積み木をおままごとに使えば、トマトにもいちごにもりんごにもなるし、
挟んじゃえばクッキーにもハンバーガーにもなる。
その日のこどもの遊びによって、使い方を自由に変えられるものを選ぶことが多いです。
何かを教え込むよりは、遊びの中でこどもが感じ取ることを大切にしています。
—こどもたちにとって”遊ぶ”とは何でしょう?
こどもにとったら「人生全て。」
遊ぶが生きているということにつながってる。
![](https://www.nazeka.site/wp-content/uploads/2022/06/1FF470AC-6B27-445D-804C-2A69C8EB3F29_1_102_o-1024x683.jpeg)
遊ぶなかで自分のやりたい気持ちを我慢せず生きていけたら、
自分を表現することができて、
やりたい気持ちが芽生え続けていくと思うので。
そのためには、こどもたちにある”やりたい”という主体的な気持ちを、
どれだけ引き出すかが遊びでは大事だと考えています。
遊びたいがゆくゆく学びたいにつながって、
学ぶためには働いた時に自分の仕事をどうやったらいいのか、
どうやって楽しくしていこうかと考える力に繋がっていくと思っています。
わたしが幼稚園の先生になろうと思ったきっかけは、
”やりたい”を叶えてくれた幼稚園の先生がいたからでした。
わたしが突然ドレスを作りたいと言った次の日に
大きな不織布を持ってきてくれて、
自分が着られる大きさのドレスを作ることができました。
この体験を今になっても覚えているからこそ、
こども達の主体的な”やりたい”気持ちを大切にしたいと思っています。
もちろん日常の中で「今は無理」というタイミングもあるけれど、
やりたいと言ったことをどれだけ実現できるか、
ダメって言う前に何だったら代替えできるかなと、
折り合いをつけながら暮らしを楽しむ。
そこがわたしにとって暮らしの楽しみであり、
遊びの楽しみになっていると感じています。
![](https://www.nazeka.site/wp-content/uploads/2022/06/FB4BCE9F-EBD0-4F7E-919B-D6FF90DF5166_1_105_c-1024x683.jpeg)
—しょうこさんが考える主体的とは?
自分や相手のために心を動かすこと。
これは遊びだけではなく、コミュニケーションにも必要だと感じています。
自分がその人と仲良くなりたいとか話を聞きたいとか、
心が動くから行動したり受け入れる体制を作ったりできる。
自分は動かず、相手のことを思って待つことが大事な時もありますよね。
相手と自分にとって何が心地いいかな、何が楽しいかなと考える。
![](https://www.nazeka.site/wp-content/uploads/2022/06/FB1374EB-B35A-4850-946A-516A9661E83A_1_105_c-1024x683.jpeg)
そう考えた時には、もうすでに心が動いていて、
主体的に動けている状態なのかなと思いますね。
目に見えない話だからすごい難しいんだけど。
—活動や子育ての話をお聞きしていると
”見守る”ことを大切にされていますよね
毎日見守る極限を試されていますね。
どこまでこどもの力を信じて、観察できるか。
親が何もしなければしないほど、
こどもは逞しく育っていく。
でも野放しとは違うから難しいんですけどね。
「あっ危ない」って本当一瞬だから。
![](https://www.nazeka.site/wp-content/uploads/2022/06/B5CB28BD-EC40-4A40-929E-797700A69BA0_1_105_c-683x1024.jpeg)
日々実験ですね。
それでも何するんだろうと見ていると 新しい世界が生まれるから。
それを見守るって、面白いんですよね。
こどもから湧き出てくるアイディアって、
大人にはないものだから、こんなに自由に表現できるんだと
驚かされることばっかりで。
そういうこどもの世界を覗ける場所を作るために
自宅を解放しておもちゃを体験できる”あそびサポート”を始めました。
お母さんと一緒に、こどもたちがどういうものに興味を示して、
どういう風に遊びを広げるかを見守れる空間を作りたくて。
同じ空間に他の親子もいれば、
他のお母さんがこどもを見守っている姿を見て学べる。
みんな我が子のことを思っているけれど、
保育の経験がないからもっと知りたい気持ちがあったり、
あとは本当に悩んで誰かに相談できる場所が欲しいと感じていたり。
私はたまたま保育園と幼稚園で働いたことがあったから、
こどもの遊びの未来像が想像しやすくて、
遊びを広げるお手伝いができたりするけれど。
こういう感覚はお母さんが実際に感じて吸収していかないと
難しいんじゃないかなと思うので体験できる場所を作りました。
それにギリギリで頑張っていて、傷ついているお母さんが多いから
満たしてあげられるような場所があったらいいなと思い活動しています。
![](https://www.nazeka.site/wp-content/uploads/2022/06/79EA01E7-2F95-42F3-BF10-39FC70D8E2B4_1_105_c-1024x683.jpeg)
それぞれの考えを否定せず、
こういうのもあるよっていう提案みたいな感じですかね。
1個の知識というか引き出しとして、
視野が広がればいいなと思ってお話しています。
こどもたちはもちろん、親にも個性があるから、みんなが認められるような
場所になればいいなと活動しています。
—最後に
わたしすごい穏やかに全部をいいよーって
しているように見られることが多いのですが、
全然そんなことないんです。
イライラすることもあるし、グチャってなることも、
えーーってなることも、まぁいっかってなることもあります。
![](https://www.nazeka.site/wp-content/uploads/2022/06/238B1FD9-0C99-49DC-9F27-309BF009D420_1_105_c-1024x683.jpeg)
そういう部分も含めて、わたしのありのままを発信していけたらと
思っています。
これからも家族を犠牲にして何かをするというよりは、
自分や家族・周りにとってもプラスになる活動をしていきたいです。
こどもたちのことを考えながら、
でも自分のやりたいこともやりたい。
超欲張りだから。
![](https://www.nazeka.site/wp-content/uploads/2022/06/BD80DDCB-8741-48B3-BF65-8E6F036B3AA4_1_105_c-1024x683.jpeg)
そう笑って話してくださいました。
最後にしょうこさんの想いを紡いだ
「紡ぎ詩」をご紹介します。
実際に子育てをしているからこそ
お母さん達に寄り添い、伝えられる言葉たちだと感じます。
添えられた写真は、はなさんが撮影したもの。
言葉を紡ぐお手伝いをKeikoが担当しました。
・
「紡ぎ詩」
ある日 突然
ぽんっと 放り出されて
新しい日々が始まった
それは 人を育てる という大仕事
”子育て”
どこかで習うこともなく
いのちの全部を委ねられる
続きは画像をクリックしてご覧ください。
![](https://www.nazeka.site/wp-content/uploads/2022/06/3f8f6a_dde8287abae84f8caa5b60c37c6401b2mv2.jpeg-1024x533.webp)
iki Instagram
https://www.instagram.com/iki.hokkaido/
iki HP
https://otaskte.wixsite.com/-iki-hokkaido
しょうこさんの日常Instagram
https://www.instagram.com/shkmro/
写真
福井写真 はなさん
https://www.instagram.com/fukuishashin_____/
nazeka Instagram
https://www.instagram.com/nazeka.site/
インタビュアー・ライター
Keiko